よい子の一日
今日は幼稚園の入園式だ。制服はない。小学生と同じ茶色のズ
ボンに白い開襟シャツを着て黒い靴を履いている。
子供を整列させて園長先生のお話を聞くなんてことはない。
親子を教室に集め、園長先生がここでやる教育について話を
する。子供の名前を確認して終わりだ。
たったそれだけなのに、お昼寝用の布団まで持参させるのが面
白い。
俺は幼稚園の廊下に貼りだされているものを見ていた。
その中に、よい子の一日を描いた物があった。
朝は6時に起きて、歯を磨き・・・・20時には寝ましょうというポス
ターだ。
俺は朝食に注目した。食卓に椅子という食事風景は日本と同じだ。
しかし、この幼稚園に通う子供の家に食卓と椅子なんてない。
パン、卵焼きにソーセイジという英米スタイルの食事をしている。
そんなスタイルで朝食をとるタイ人の家庭は少ない。
いわばタイ人の憧れの食事スタイルだ。
学校から帰ると風呂に入り汗を流す。風呂と言ってもシャワーを浴
びるのだ。この幼稚園に通う子供の家でシャワーを使っている家
はあるのか?多くは汲みおいた水を桶でしゃくって、浴びるだけ
だ。面白いのは女の子が下着をはいてシャワーを浴びていること
だ。下着をつけたまま水を浴びる習慣はタイにはないと思うのだ
が、子供とはいえ女の裸の絵を幼稚園の廊下に出すのははばか
れるのか?
宿題をやり、夕食になる。夕食には鳥の丸焼きがでている。
これまた豪華と思える料理が描かれている。
庶民の生活とはかけ離れた食事風景だ。
テレビのドラえもんを見ている。
この食事風景を見て日本が貧しかった頃の理想の食事サンプル
を思い出した。あの頃はもっと肉や脂を食べろと言われた。
一日2200だか2400カロリーとれ。そのためにはこのような食事を
とれという食事のサンプルが保健室の前などに並んでいた。
大きなステーキが皿に乗っていた。俺はステーキのサンプルを見
て涎を流さなかったが、ため息をついた。
タイの幼稚園児もあのポスターの食事風景を見てため息をつくの
ではないかと笑ってしまった。
2011/5/10
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