携帯は危険
時々、空が明るくなる。遠くに雷が出ているようだ。
もうすぐ改造トラックのバスを降りる。雨が降るなんて予想していな
かった。バスの屋根が激しい音を立てた。
「なんだ?」
「雨ですよ」
傘なんて持っていても役立たない激しい降り方だ。
風も強く、あちこちに落雷している中でバスを降りた。
バス停までバイクが迎えに来るように頼んでおいた。
暗くなるとこの辺りは犯罪が多いらしい。
誰に聞いても夜は危険だと言う。
バスを降りる前に防犯用に点滅LEDライトをつけた。
この雨ではバイクで走るのは危険だ。何しろ前が見えない。
コンビニに入り小さな買い物をした。
買い物客の一人から「携帯がどうのこうの」と注意された。
雨が小降りになったので、迎えの男が「そろそろ行きますか?」と
言う。この雨の中を走るのかよ?!覚悟を決めた。
バイクの座席を持ち上げ、携帯を座席下のポケットに入れるか聞
かれた。携帯が濡れて壊れるのを心配しているのかと思った。
電源が入った携帯は鞄の中にしまってあるから、濡れても被害は
でないはずだ。
以前に聞いていたが忘れていた。
雷の時に携帯を使っていると、携帯に落雷するらしい。
そのような事故がタイではよく起きているらしい。
雨も激しいが雷も日本の比ではない。
なぜ短時間に二人が携帯がどうのこうのというのか理由が分か
った。携帯を使っていて俺に落雷すれば俺は死ぬ。
それだけなら構わないが、俺に落雷すれば周囲の人も怪我をす
る。周囲に迷惑をかけないためにも、雷の時は携帯の電源を切
らなくてはいけない。
これはタイの常識だが、経験がないから日本人には想像がつかない。
2011/4/28
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