やよい軒のカツ丼
先日は「すかいらーく」で笑っちゃうカツ丼を食った。
安いから仕方がないとも思うが、安いとは言え、他の料理の倍近
い値段だ。決して安いとは言えない。
タイ人の好みに合わせた味だろうから、日本人好みの味になって
いないはずだと理解していた。
それにしても俺の期待していた味とはほど遠い。
今日は何を食おうか?そうだここにやよい軒ある。カツ丼を食って
みよう。やよい軒に行った。ウエイトレスは前掛けなのか着物なの
かわからない奇妙な制服を着ている。
同じカツ丼なのに、タイ語訳はやよい軒とすかいらーくでは違う。
店に入ったのが昼食時間をはずれた三時ごろだったが、注文して
カツ丼がくるまで15分もかかったおかげで料理がくるまでいろい
ろ観察できた。
日本資本の料理屋だが、客も従業員もタイ人だからタイの習慣が
そのまま入っている。日本にある店でカツ丼を注文したら、ウエイ
トレスはさっさと注文を厨房に届けて終わりだ。
飯を食う時はなにか飲み物を注文するのがタイでは普通だ。
料理の注文をうけたら「お飲物は何にしますか?」と聞いてくる。
お飲み物と言ってもアルコール類ではなく、通常は水かソフトドリン
クだ。ビールを注文することもある。
カツ丼にペプシなんて組合せは日本ではあまりやらない。
「いらない」とつい日本の習慣通りに言う。
するとコップに冷たい水を入れて持ってきた。日本の「お冷」の習慣
だな。驚いたことにコップの下には紙のコースターがある。
コースターを使う店なんてタイでは滅多にない。
日本人にとってうどん、そば、丼物は個人の食べ物で食べたい人
が注文して、注文した人が食べる。
他の人は他人が注文した丼物に手を出さない。
タイ人のカップルを観察した。彼等はうどんとたこ焼きとなにか料
理を一品注文していた。
注文した料理はみんなで食べるのがタイ人の食べ方だ。
うどんも当然二人で仲良く食べる。日本の習慣に従って一人で
丼を持ち上げて、丼に口をつけて食ってしまったなら相手は驚く。
うどんを受け皿にとって箸で食べている。彼等が考える上品な食
べ方だ。うどんの汁はスプーンで丼からすくって飲む。
たこ焼きだってタイでは高級な和食なんだ。お祭や夜店で歩きな
がら食べるB級グルメじゃないんだぞ!
デート中のカップルにふさわしい高級料理だ。
タイ人カップルを観察しているとカツ丼がやっときた。
豆腐ワカメの味噌汁は合格点をあげられる日本の味だった。
いつも屋台や普通の料理店などでプラスチックの皿や器に盛られ
た料理を食べていると瀬戸物の丼がやけに重く感じられる。
カツ丼を食うのになんでこんなスプーンが必要なんだよ!!
ここはタイにある店なんだから、タイ人が必要と感じるものをだし
ているんだ。日本じゃ資源の節約と言って割り箸を廃止する店が
増えているのに、タイでは逆に使い捨ての箸が増えている。
カツは1センチ厚のパン粉がついたトンカツだった。「すかいらーく」
の物とは大違いだ。もちろん値段も大違いだが・・・・・・。
味はやっぱりタイ人好みの甘い味だ。まあましな味だと我慢しな
がら食う。
食い終わるとウエイトレスがにっこり笑いながらやって来た。
「美味しいでしょ?」俺は返事に困った。けっして美味しい味では
ない。そうかと言って不味いと言ったらご機嫌を損ねる。
「ギンダイ(食べられるよ)」と答えた。
同僚のウエイトレスの所に行き、
「あの人、ギンダイって言ってたわ」と笑っていた。
2011/5/4
| 固定リンク
« 酔っ払い運転禁止 | トップページ | 唯我独尊 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント