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2011年6月18日 (土)

高菜とシーチキンのトムチュート

今日は肉も魚もないが、ヌチャナートは慌てない。
「魚の缶詰があるわ」
缶詰をごそごそやっている。缶詰のラベルはみんな日本語だ。
ラベルに描かれた絵で缶詰の中身を確認している。
日本語が読めない外国人が増えている。
絵があれば中身を推定できる。
魚の種類がマグロだか鯖だか鰯だか分からなくとも、それが野菜
の缶詰とは思わない。

そうそう子供の頃の思い出だ。
デルモンテの缶詰を戴いた。当時デルモンテの缶詰は緑のラベル
に外国語で品名が書いてあっただけだ。パイ缶と言ってもわから
ないだろうな。パイナップルの缶詰を約してパイ缶と言っていた。
パイ缶は子供の好物だ。缶詰を開けたらパイナップルではなくて
たしかピーチだった。俺はがっかりした。
売った人も買った人も貰った人も皆それがパイ缶だと思っていた
のだろう。外国語が読めなかった当時の思い出だ。

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話を元に戻そう。
ヌチャナートはシーチキンの缶詰を選んだ。
このシーチキンをこともあろうに高菜の漬物と煮込んだ。
漬物というのはそのまま生で食べるのが日本人の常識だ。
これがタイ人の常識では違う。
漬物は保存食、料理の素材とタイ人は考えるのだ。
高菜の漬物も素材だから煮込んで食ってもおかしくないと考える。
実によい味に仕上がっている。
自分が作った味に満足している時はヌチャナートは俺に味見をさ
せる。
「美味しいわよ。味見してごらんなさい」
「・・・・・」うん良い味に仕上がっている。
「ねっ、美味しいでしょ」
「うん」
思いがけない素材の組み合わせで、良い料理ができあがった。
ヌチャナートはこれをトムチュートと呼んでいる。

2011/6/16

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