食器の性質
俺がタイや、タイ人と暮らしていて気づいたことは日本の生活には
食器に性質があることだ。それと食器に対する考え方が日本人と
タイ人では違うことだ。
ちょうど良い大きさの器だからと言って食器に機械油や食品以外
の物をを入れないのは日本人もタイ人も同じだ。食器は食品を盛
りつけること以外に使わない。
食べやすさを考えて料理と盛り付ける食器を考えるのも日本人と
タイ人は同じだ。
例えば焼魚を丼に盛り付けたなら食いにくいから、焼魚は皿に盛
りつける。そんなの当たり前じゃないかと思うが、よく見ると日本
人とタイ人では食器の使い方、食器に対する考え方が違う。
汁物を入れる食器には丼、鉢を使うのは日本人もタイ人も同じだ。
丼、鉢と言っても日本の家庭にはラーメンを入れる丼と親子丼な
どの丼がある。
ラーメンを入れる丼に讃岐うどんやカツ丼を盛り付けない。
必ず和風の丼にうどん・蕎麦・丼物を盛りつける。
ラーメンを入れる丼は醤油・味噌・塩ラーメン、タンメンなど中華風
の麺類にしか使わない。
皿も同じで瀬戸物の皿に羊羹などを盛らない。
和菓子は塗り物の皿に盛ってだす。
丸い皿に魚を盛ることもあるが、魚は細長い皿に盛ることが多い。
湯飲み茶碗は茶や白湯を飲むのに使うが、これに味噌汁を入れ
ない。茶碗酒と言って湯飲みで酒を飲むこともあるがこれはお行
儀のよい飲み方とはみなされない。
徳利は清酒以外に使わない。焼酎やウイスキーを徳利にいれること
はない。
小鉢は酒のお通し、口直し用のちょっと刺激の強い食べ物、佃煮
などを入れる容器だ。
飯を盛る茶碗で味噌汁を飲まない。
味噌汁の椀は味噌汁、澄まし汁しか盛らない。味噌汁の椀に飯は
絶対に盛らない。
日本人はこの食器はこの料理に使うと決めており、それ以外の用
途に使わない。食器と料理の組合せを間違うと落ち着かない。
きつねうどんをラーメン用の丼に入れて出されたなら日本人は落ち
着かない。日本人の食事では食器と盛りつける食品・料理に関連
性がある。
タイ人は食器は食べ物を入れる容器としか見ていない。
その容器がちょうどよい大きさならなんでもその容器に盛り付ける。
食器と盛りつける食品に関連がない。
例えばラーメンの丼に漬物やトムヤンクンを盛り付ける。
文句を言っても「おんなじよ!」と相手にされない。
こんなことはタイへ行き、タイ人と暮らしてみないと気づかない。
2011/6/2
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