缶詰が出ていた。見るとタイの竹の子の缶詰だった。
「これどうするの?」
「あたしが食べるのよ」
そう言いながら調理を始めるとやたらとくさいにおいがする。
どうやら旦那には食わせない料理を作るらしい。
このにおいを嗅がされれば食欲が薄れる。食えと言われても
食わない。それから昆虫からとったエッセンスを加える。
このエッセンスは虫とは思えないよい香りがする。
原料が虫とわかっているので、この香りがする料理を俺は食
べない。俺は味見もしない。
ヌチャナートは嬉しそうに一人で食べている。
2011/7/18
コメント