スペアリブのネム
ヌチャナートがスペアリブを使ってネムを作ると言い出した時、
俺は驚いた。挽肉や細切れ肉を使ったネムは見たことがある。
しかしスペアリブを使ったネムなんてタイでも見たことがない。
「美味しいわよ」ヌチャナートが言うのだから間違いないだろう。
どんな味になるのか想像はできた。
スペアリブを使ってもネムの作り方に変化はない。
いつもと同じように肉を捏ねて袋に詰める。
そして袋をぎゅーっと絞めて輪ゴムか紐で縛る。
円筒形でもいいのだが、何故か円錐形にする。
工業的にはチューブに充填して金具で止めるので円筒形の
ネムを作れるが、家庭ではそういうことは出来ない。
肉とポリ袋を密着させる必要があるので、円錐形にするのが
手軽なのだ。この肉を常温において三日もすると醗酵が進み
酸味が出たら食べ頃だ。
袋から肉を取り出して空揚げにした。
爽やかな酸味のあるネムが出来上がっている。
酸っぱい肉を知らない日本人は腐っていると誤解するのでは
ないかな?
サラミソーセイジに出来る酸味と同じと言えば安心できるかな?
これはタイで冷蔵庫もない昔から受け継がれてきた肉の伝統的
保存方法なんだ。貴重な肉を美味しく保存するタイ民族の知恵
に敬服する。
民族料理と言ってもこれは宮廷料理ではなく、タイの田舎の素朴
な家庭料理なんだろうな。
肉を食べていると軟骨に当る。コリコリとした軟骨も美味しい。
冷たいビールと一緒だと、これは美味いぞー!
きっと病みつきになるよ。
2011/7/11
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