天ぷらの干物
食いきれないほど天ぷらがある。これをどうしようか思案した。
ヌチャナートは「これを乾かすのよ」と言う。
一瞬何を言われたのか分からなかった。
天ぷらの干物なんて想像できない。そんなことをしたら油が傷
んで食えなくなるではないか?
何を言っているのだろうか?俺のタイ語能力では理解を超えて
いる。
「天ぷらをここに入れて、表に出してよ」
竹笊に天ぷらを入れろというのだ。間違いなく、天ぷらを干物に
しようとしている。
「天ぷらをタイでは干物にするのかい?」
「タイには天ぷらなんてないわよ」
天ぷらと言う名前ではないが、天ぷらのようなものがタイにもあ
る。タイに於ける天ぷらはどちらかと言うと少数派の料理だか
ら、タイには天ぷらがないと言ってもいいかもしれない。天ぷらな
んてタイでそれほど食べたこともないのに、天ぷらの干物を作ろ
うというのだ。
「このまま冷蔵庫に入れておいても直ぐに駄目になるわ。
干物にすれば長持ちするわ」
「・・・・・」そりゃそうだ。素材の水分は天ぷらの過程でかなり飛
んでいる。更に干物にすれば水分が飛んで長持ちはするだろう。
天ぷらの干物なんて俺たちの常識外の発想だ。
その発想に驚くと共に、興味をもった。
竹笊に紙を敷いて天ぷらを置いた。天ぷらから油が紙に染みる。
次々と新しい紙に取り替える。
こんなにも天ぷらから油がでてくるとは思ってもいなかった。
ダイエット中の人は絶対にカロリーの高い天ぷらは食わない方
がいい。
日当りに干して置くだけだから天ぷらの干物を作るのは簡単だ。
だが干物をどうやって食べるつもりなのだ?
「これを食べる時にまた揚げるのよ」
「えっ・・・・・!?」
「揚げなくてもいいのよ。焼いてもいいしマイクロウエーブにいれ
てもいいわ。温めればいいのよ」
うーん、どんな味になるのかなぁー?
2011/7/17
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