梅干と唐辛子ソース
俺たち日本人は暑い夏の間は弁当に梅干を入れておくと弁当
が腐りにくいことを知っている。
それでコンビニ弁当にも必ず梅干が入っている。
梅干は弁当を腐りにくくする効果の他に、不足する塩分の補給
にも役立つ。紅一点というのか白い飯の中に赤い丸いものがあ
ると飯が綺麗に見える。梅干を白飯に入れるのは、その美的
効果を狙っていることもある。
弁当に梅干はつきものと俺達は考えている。
しかしタイ人にはこれが理解できないのだ。
奇妙なことだが、日本人よりも料理にレモンを多用するタイ人は
酸っぱいものを好まない。梅干の酸味なんてタイ人には合わな
い。
「なんでこんな酸っぱくて不味いものを日本人は食べるの?」
弁当に入っている梅干をタイ人は食べない。
日本人は弁当に梅干を入れることを学んだヌチャナートは俺が
弁当に梅干を入れるのを黙って見ている。
俺が弁当に梅干を入れる前にヌチャナートは弁当に唐辛子ソー
スを入れちゃった。
あれれれ・・・・?!こうやると弁当が腐りにくくなるのか?
塩分濃度が高くなるし、唐辛子が保存性を高めるのだろう・・・・
と思っていた。
弁当を食おうとした。唐辛子ソースのナンプラは飯に染み込ん
でいる。余り期待することなく飯を食うと、飯の上に鰹節をのせ
て醤油をかけた猫まんまと似た味がする。
こりゃぁー辛い猫まんまみたいだな。
一人で弁当を食いながらにやっと笑った。これは食える!
お菜に入っている唐辛子の辛味とは違う、唐辛子の辛味だ。
この食い方もいいもんだ。
ナンプラはゆっくり時間をかけて飯に染み込んでいる。
熱い飯に唐辛子ソースをかけても美味いと思うが、ゆっくり染
みこんだ味は別の味わいがある。
俺はこの味に喝采を贈った。
2011/9/6
| 固定リンク
« 夕顔と苦瓜 | トップページ | ウチの苦瓜で弁当 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント