唐辛子と日本の食生活
町を歩いていると植木鉢に水をやっているお宅があった。
鉢をみると大粒の真っ赤な唐辛子がなっている。
「わーっ、綺麗ですね」
濃い緑の葉の中にある赤い実は情熱を感じる。
見ると二三種類の違う唐辛子を植えている。
「これと、これは種類が違いますね」
「うん違った種類だよ。今年は肥料を間違えちゃったよ」
「・・・・?」
「背丈が伸びて実がならないんだよ」
「どんな肥料をあげたんですか?」
「農協が唐辛子にいいと言う肥料をあげたんだ」
その肥料は葉っぱには効いたらしい。だからあんなに濃い緑を
しているのだ。
「これ食べないんですか?」
出来た唐辛子を食べていない様子だった。
「こんなに食べ切れないよ」
ウチなら三日でなくなるほんの僅かな量だ。
そうだろうな、日本人の家庭では唐辛子なんて使わないからな。
「この葉っぱを佃煮にするといいですよ」
「葉唐辛子の佃煮ってあるよね」とは言った物のそれほど興味
はなさそうだ。
ウチなら、葉っぱも採って来て食っちゃうのにもったいないな。
「この赤い実をとって乾燥させればカレーなんかに使えますよ」
「なるほどね」唐辛子を乾燥させることまで考えていなかったよ
うだ。一応、肯定的返事はしたが、やる気はなさそうだ。
唐辛子を植えたがそれは鑑賞目的で食べるためではなさそうだ。
日本人の食生活と唐辛子の関係を考えさせる短い会話だった。
2011/9/30
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