食べないラープ
朝から俎板の上の牛肉を叩いている。近所迷惑な音だ。
ウチの料理は臼で素材を叩いてから調理することが多い。
牛肉をナイフで叩く音も素材を臼で叩く音もご近所さんには同じ
ような音だろう。
こちらはあの騒音を気にしているのに、優しいご近所さんは
「あれは生活に必要な音でしょ」とこの迷惑な音を許してくれる。
実際、許してもらわないと食事が出来なくなる。
生の牛肉を叩いて細かくして、唐辛子、ニンニクなどをあわせる
とラープになる。俺はラープが大好きだった。
それなのに突然、ラープを食べなくなった。
生肉だから危険という恐れからではない。
理由は分からない。あんなに感激して食べていたラープを今は
食べない。
ラープを餅米と一緒に食べると実に美味い。
餅米の甘さとラープの辛さが絶妙なバランスを作ってくれる。
その美味さを知っている、覚えているのにラープを食べない。
ヌチャナートは俺がラープを食べなくなっているのを知っている
ので一人で食べている。
2011/12/23
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