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2011年12月 6日 (火)

不味い食い物ってあるの?

俺は納豆を美味いと思って食っているが、納豆は不味いという
人がいる。美味い不味いと言うのは好みの差、文化の差、地
域の差、時代の差・・・・・などで変わってくる。
一見不思議に見えるが、時代によっても好みは変わる。
例えば江戸時代はマグロのトロなんて不味いものだったが今
は美味いものになっている。
最近ではマスコミのグルメ情報が取り上げるものだけが美味し
い物になっている。

誰が食っても普遍的に不味いという料理や食い物ってあるの
かな?そういう物はあるが、そんな物は料理、食物として存在
していないのではないか?
例えば松の木を考えてみよう。
松の実はそのまま食べるし料理にも使われるから美味い物に
はいるな。松脂はギリシャではワインに入れる。
そんなワインをギリシャ人は美味しいと言って飲んでいる。
松脂入りワインは美味いか?その評価は食文化圏によって異
なり、ギリシャ以外の国では美味しいとは考えないかもしれない。
松の葉は料理の飾りに使われることがあっても食べることはな
い。松ぼっくりは食べない。
俺が知っている範囲では松ぼっくりや松の葉は食材とは考えな
い。これ等は誰が食っても不味いと言う。
誰が食おうとしても食えない、食いづらいから誰も食い物とは考
えない。
松ぼっくりのように誰もが不味いと言うものが本当に不味い食
い物なんだ。
誰が食っても不味いと言う物は食材とは考えない。、
食材ではない松ぼっくりを食うことはない。
「松ぼっくりは不味い」と言っても笑われるか馬鹿にされるだけ
だ。

松の実や松脂入りワインは一部の人は不味いと言うが、一部
の人は美味しいという。美味しいか不味いかは好みの差であっ
て、普遍的に誰もが不味いというものはない。

俺が不味いと言う物でも、誰かさんには珍味絶品の美味さに
なる。そんな料理、食品の例が多い。
タイ料理によく使われるパクチーのにおいが嫌いな人が多い。
パクチーのにおいが嫌いなのは日本人だけでない。
同じ東南アジアの国インドネシアの若い女もタイのパクチーの
においが嫌いだと言っていた。
パクチーを使った料理は不味いのか?
あのにおいが好き、あるいは抵抗がない人にとってはパクチー
が入った料理は美味い料理になる
あのにおいが嫌いと言う人には不味い料理になってしまう。
パクチーが美味いとか不味いというのは偏見にすぎないのだ。

タイ人の客を想定してタイ人が作るスパゲッティをタイで食べた
が甘くて不味かった。俺には不味くて、一皿を食えなかった。
「よくこんな不味い物を作るな!」
しかしあの味を作り続けており、それが売れているのが俺には
不思議だ。俺にはどう見ても不味い味だが、タイ人にはちょうど
よい美味しい味になっている。

不味い料理に遭遇すると、
「こんな不味い物を食っている奴は下等な奴だ」
と軽蔑するかのように「俺はこんな不味い料理を食え
ない」
と偉そうに言う人がいる。それはとんでもないことだ。
貴方が好きな納豆は他の人には不味い料理の代表になって
いる。そんな不味い納豆を食っている貴方は誰かに軽蔑され
ているんだぞ。他人が美味いと言う食い物を軽蔑的に不味い
という人は
「この納豆の美味さが分からないのは下等な人種だ!」
なんて思い込ん
でいるから手がつけられない。

世の中には不味いという食い物はない。
不味いと感じるのは偏見であって、誰もがそれを不味いと感
じるわけじゃない。他の人が美味しいと食べている料理を、
不味いと感じる自分を恥じる必要はないが、美味しいと言い
ながら食べる人々を温かく見
る眼が必要だ。
不味いと思いながらも食い続けていると、それがある日から
美味い物になることもある。
日本人妻を持つ白人が言った。
「納豆は嫌いだったが、ある日女房がひき割り納豆を作って
くれた。それ以来納豆が好きになった。」
味の世界には不思議な魅力がある。
不味いと感じるのも一つの感じ方だ。自分が不味いと感じても
美味しいと感じる人がいるもんだ。
この世の中に誰が食っても不味いと言うものはあるが、そのよ
うなものは食材と考えられていない。
食材でないのだから不味くて当然だ。
不味い食い物、料理というのはない。
それを不味いと考えるのは個人的好み、文化的食習慣の差
だと思うな。

2011/11/19

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