熱帯果実ジャックフルーツ
俺達が良く見かける蜜柑や柿は枝の先に実っている。
ところがジャックフルーツという果物は太い幹からニューッと西瓜
を枕型にした大きな果物が出てくる。
果物は枝になるものだという固定観念が出来ている俺達には
ジャックフルーツは異様な姿に見える。
俺も初めて幹から飛出しているジャックフルーツを見た時、奇妙
な気がしたのを覚えている。
インパール作戦で生き残った日本兵の戦記を読んでいたら
ビルマで見た珍しい果実の話が出ていた。
彼はその果物の現地名を忘れたが、幹から直接出ている果物
に驚いていた。
大きな果物で割ると中から黄色い実がでてくると書いてある。
この実が美味で、大きな種も煮ると馬鈴薯のようで美味かった
と記述している。
これは間違いなくジャックフルーツだ。
黄色い実は甘くてよい香りがする。煮た種も淡白な味で美味い。
日本兵はどうしてこの種が食えるとわかったのだろうか?
ビルマ人が食べているのを見て、種も食えるとわかったのかも
しれない。
彼は完熟したジャックフルーツのことを書いていたが、未熟の
ジャックフルーツも食べられることを知っていただろうか?
おそらく未熟果も食べられる事は知らなかっただろう。
もし知っているなら、書き残しているはずだ。
未熟のジャックフルーツは野菜と同じでシチュウにして食べる
と美味い。味噌汁の具にしてもうまいと思う。
食糧、弾薬の補給もなく飢餓と闘っていた日本兵がジャックフ
ルーツの未熟果も野菜として食べられることを知っていたなら、
多くの日本兵が助かったのではないだろうかとふと思った。
2012/1/5
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